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説得:受け手を重視し、考え方や態度を変えさせようとするものである。たとえば、広告、論説、議員への手紙など。
環境教育に対する国語の効果は明白である。日誌をつけたり、詩や歌を通じて気持ちを表現したり、レポートを完成したり、議員に手紙を書いたりする活動は、市民運動技能の習得に非常に重要である。二次的な情報源を利用できるようになること、すなわち専門家にインタビューしたり、図書館やメディアの閲覧システムを利用したり、記録をとったりする技術の育成がいかに重要かということは、中学レベルでの市民運動技能の育成につながる。
国語は主として、知覚的認識、環境倫理、および市民運動技能のサブゴールを達成するのに効果的である。小さな子供達の観察能力を育てるために使われる多くの活動は、字を読みはじめたばかりの子供のために大切な能力である、視覚的に見分ける能力の育成に有効である。学校の近くの通りでアルファベットや数を拾って歩くのは、この目的に効果的な活動の一例である。順序だてたり分類する技能を育てる活動も、本を読みはじめたばかりの子供や低学年の子供の育成に有効である。
国語と環境教育の目標がともに達成できる活動のもう一つの例は、まだ書くことを学び途中の、本を読みはじめたばかりの子供や低学年の子供が行なうものである。子供たちは環境の中で関心のある物を一つ選ぶように指示され、それを味覚を除くすべての感覚を使って注意深く調べ、その物についてのスポークスマンとなる。子供たちにとってこの活動は話す活動であると同時に観察技能も育成する活動となるのである。同じような活動が、読みの初級者から読解力強化の段階に移行しつつあり、書く能力もある高学年の生徒にも使用できる。彼らは環境から一つの物を選び、それを誰にも言わないように指示される。その物をこっそりと観察し、小さな紙にその物を説明する言葉を5〜10語書く。他のクラスメイトがその紙に書かれた手掛かりからその物が何かを当てる。こうした活動では、語彙の発達に関して国語の目標が達成されると同時に、観察技術を磨く効果もある。
国語の指導はまた、環境倫理の育成にも効果を持ち得る。小学校高学年又は中学校の生徒に、本を一冊(たとえば「大草原の小さな家」)読み、その登場人物の生活様式と自分自身の生活様式が環境に与える影響を対照させた一連の質問に答えるよう指示する。たとえばその登場人物がごみ箱をもっていたらその中に捨てたと思われる物と、自分や自分の家族が自宅のごみ箱に捨てている物とを比べるよう指示することもできる。
中学レベルでは、国語の指導は市民運動技能の育成に大いに貢献することができる。またこのレベルでは、文学をフィクション、ノンフィクションの両方から注意深く選択することによって、姿勢や価値観の形成に大いに役立てることができる。

 

□ 算数・数学
小学校12年生までの数学カリキュラムは、7つの異なった要素を含んでいる。これらの

 

 

 

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